内部統制報告制度(J-SOX)って何?

内部統制報告制度(J-SOX)対応の実務 | 2012年9月15日

今回は、弊社オリジナルの連載特集【内部統制報告制度(J-SOX)対応の実務】第1回目をお届けいたします。

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まず、タイトルの通り、J-SOX実務の話の前にJ-SOXって何?ということについて今回はお話できればと思います。今さら感も否めませんが、どうぞお付き合いください。

 

 

【内部統制報告制度(J-SOX)】とは

 

 

そもそも、J-SOXは、日本語で”内部統制報告制度”というのが正式名称です。アメリカでの大型企業の不祥事で、SOX法という制度ができましたが、この日本(Japan)版ということで、日本版SOX⇒J-SOXという略称となっています。

 

 

内部統制報告制度は、金融商品取引所に上場している会社が事業年度ごとに、「内部統制報告書」を有価証券報告書とあわせて内閣総理大臣に提出することを義務付けたものです。そして、当該「内部統制報告書」は公認会計士または監査法人の監査を受けなければなりません。

 

 

「内部統制報告書」というのは、「会社の属する企業集団および当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した報告書」(金融商品取引法第24条の4の4)のことだそうです。何だか意味不明ですが、平たく言うと、『財務計算書を適正に作成するための体制がきちんとできている』ということを自社で検証し、それを表明する報告書のことを意味します。

 

 

上場会社の経営者は、内部統制報告制度の導入により、財務報告に係る内部統制を整備、運用した上で、その状況を評価し、外部に報告しなければならないのです。

 

 

【財務報告の範囲は?】

 

 

「財務報告」とは、有価証券報告書の財務諸表及び財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等に係る外部報告をいいます。

 

 

(以下はマニアックな内容ですので、実務で今まさに考えるときを除き、「ふーん、そんなもんだ」程度で、流して見てください。)

 

 

「財務諸表」とは、連結財務諸表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結附属明細表)及び財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書(連結がない場合)、附属明細表)をいいます。

 

 

そして、「財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等」とは、有価証券報告書等における財務諸表以外の開示事項等で次に掲げるものをいいます。

 

 

① 財務諸表に記載された金額、数値、注記を要約、抜粋、分解又は利用して記載すべき開示事項。
② 関係会社の判定、連結の範囲の決定、持分法の適用の要否、関連当事者の判定その他財務諸表の作成における判断に密接に関わる事項

 

 

① は例えば、有価証券報告書の記載事項中、「企業の概況」の「主要な経営指標等の推移」の項目、「事業の状況」の「業績等の概要」、「生産、受注及び販売の状況」、「研究開発活動」及び「財政状態及び経営成績の分析」の項目、「設備の状況」の項目、「提出会社の状況」の「株式等の状況」、「自己株式の取得等の状況」、「配当政策」及び「コーポレート・ガバナンスの状況」の項目、「経理の状況」の「主要な資産及び負債の内容」及び「その他」の項目、「保証会社情報」の「保証の対象となっている社債」の項目並びに「指数等の情報」の項目のうち、財務諸表の表示等を用いた記載が挙げられます。

 

なお、この点に係る経営者の評価は、財務諸表に記載された内容が適切に要約、抜粋、分解又は利用される体制が整備及び運用されているかについてのものであることに留意を要します。

 

 

② は例えば、有価証券報告書の記載事項中、「企業の概況」の「事業の内容」及び「関係会社の状況」の項目、「提出会社の状況」の「大株主の状況」の項目における関係会社、関連当事者、大株主等の記載事項が挙げられます。

 

なお、この点に係る経営者の評価は、これらの事項が財務諸表作成における重要な判断に及ぼす影響の大きさを勘案して行われるものであり、必ずしも上記開示項目における記載内容の全てを対象とするものではないことに留意を要します。

 

 

初回は、制度概要の話でしたのでどちらかというと、実務的にはどうの、というよりも単なる解説になってしまいましたね。もう数回解説のみの話が入り、4回目以降実務も交えた解説に入っていきたいと思います。以下目次ですので、ご参照いただければと思います。

 

 

第1回 内部統制報告制度(J-SOX)って何? (今回)
第2回 そもそも“内部統制”って何?
第3回 我が国の法律で求められている“内部統制”
第4回 J-SOX全体像(J-SOX対応実務①)
第5回 全社的内部統制のポイント(J-SOX対応実務②)
第6回 決算財務報告統制のポイント(J-SOX対応実務③)
第7回 業務処理統制のポイント(J-SOX対応実務④)
第8回 RCM(リスクコントロールマトリクス)の作成方法(J-SOX対応実務⑤)
第9回 整備状況の評価方法(J-SOX対応実務⑥)
第10回 コンサルタントやツールの活用法(J-SOX対応実務⑦)
第11回 監査法人が行う内部統制監査への対応(J-SOX対応実務⑧)
第12回 運用状況の評価方法(J-SOX対応実務⑨)
第13回 サンプル抽出についての留意点(J-SOX対応実務⑩)
第14回 開示すべき重要な不備について(J-SOX対応実務⑪)
第15回 不備金額の集計方法(J-SOX対応実務⑫)
第16回 経営者による内部統制報告書の作成方法(J-SOX対応実務⑬)

 

 

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